VO.6「やりたいことにストップをかける言い訳など考えない!」根本奈緒子

このカテゴリーでは、自分らしくイキイキと輝く女性達に「10年前の私に伝えたいこと」「10年後の私から現在の私へのメッセージ」というテーマでゲスト寄稿していただきます。第6回は初の海外編!パーソナルトレーナーの根本奈緒子さんです。

「やりたいことにストップをかける言い訳など考えない!」根本奈緒子(ホーチミン在住・53歳

ベトナムのホーチミン市でパーソナルトレーナーとして、“健康に老いるため”のエクササイズの指導をしています。海外生活は今年で28年目。国際機関で働く夫に同行し、2年から5年のサイクルで転居しています。

転居を繰り返す中で感じたことは「ネガティブな気分に時間を割けるほど人生は長くない。」

仕事柄、外向的で何にでも挑戦する人と思われがちですが、見知らぬ土地での疎外感、閉塞感を克服するために自分を変えていった結果、今があります。食べることと料理が大好きで、自分でお店をリサーチしたり、家でレシピを試してみたり、外出中でも家の中でも楽しめることを探し、忙しくも充実した毎日を送っています。

10年前の私に伝えたいこと

“やりたいことにストップをかける言い訳など考えない!”

10年前、私は43歳。ニューヨークの摩天楼をのぞむニュージャージー州に住み、スポーツクラブでグループエクササイズの指導をしていました。2人の娘はまだ手のかかる時期で、仕事も充実していたので、仕事と家庭以外に自分の心を豊かにするサードプレイスを作ることに考えが及びませんでした。

激務の夫に自分の都合で家を空ける事に申し訳なさを感じていたこと、仕事も家事も育児も完璧にこなさなければと思い込んでいたこともあり、資格試験やステップアップ研修、オーディションなどの話がきても辞退していました。

当時を振り返ると、世界中のいろいろなものが手に入り、さまざまなトレーニングを受けることが可能だった環境の中で、料理やダンスのレッスン、手芸や洋裁など、趣味として楽しめる事にもっと挑戦しておけばよかったと思います。

コロナ禍で新たな楽しみを見つける

数年後にスイスのジュネーブに引っ越しました。

スイスでも忙しい毎日を過ごしていましたが、新型コロナウイルスの流行が始まり、勤務先のスポーツクラブが閉鎖され、私は生きがいだった仕事を失いました。

ありあまる時間を料理やお菓子作りに費やし、その日の宅トレ(自宅で行うエクササイズ)と共にSNSに投稿していました。限られた材料で知恵を絞って料理をしたり、娘のために購入したミシンでハンドメイドをするなど、新たな楽しみを見つけました。

10年後の私から現在の私へのメッセージ

2022年の夏にスイスからベトナムに越してきました。ベトナム駐在は2回目。勝手はわかっているつもりでしたが、以前よりも労働ビザ取得の条件が厳しくなっていたことで、私は正式に就職する事が不可能になりました。

仕事や自身の収入が無くなったことで、自分が取り残されていくような焦りと孤独・・・暑さとまとわりつくような湿気で、以前のように身体を鍛える事もできず、フィットネスのプロなのに、体型のキープすらできていないのでは、という自己嫌悪。さらに更年期の症状が現れはじめ、不眠といらだちから胸部に痛みを感じるようになりました。

不調のサインが出ても、健康を過信していたこと、出張の多い夫と、大学入学に向けて勉強に励む子ども達のサポートを最優先させなければいけないという思いもあり、「私は誰よりも強いはず」と自分を奮い立たせ、弱音を吐くことができませんでした。

ベトナムへに越して半年経ち、娘の学校関係の知り合いなどからパーソナルトレーナーとしての仕事が少しずつ入るようになったある日、息もできないほどの痛みを胸に感じて救急外来を受診することになりました。様々な検査を受けたものの原因は特定できず、翌日の診察で「肋間神経痛」と「不安恐怖症」と診断され、抗不安薬が処方されました。

これを機に何に対してなのかもわからずに抱いていた不安や焦りを手放し、興味を持ったことに積極的に挑戦することにしました。

ベーグルなどのパン作り、古着をトートバックにアップサイクルしてみたり、スイスであまり時間がとれなかったフランス語の勉強、自身を鍛えるためにジムでオールアウト(限界まで自身を追い込む事)、ドラム演奏・・・

ドラム演奏はエクササイズとは異なる疲労感が最高です!

より強く美しい筋肉を作るための食事にもこだわりはじめ、いつかシニアの筋肉美を競うコンテストにも挑戦してみたいと考えています。

これからの人生はすべての趣味に仕事と同じくらいの愛情と時間をかけて、心を豊かに、楽しんでいきたいです。

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