VO.8「年をとることに希望を持てないあなたへ」佐藤聡美

このカテゴリーでは、自分らしくイキイキと輝く女性達に「10年前の私に伝えたいこと」「10年後の私から現在の私へのメッセージ」というテーマでゲスト寄稿していただきます。第8回は東京都在住の佐藤聡美さんです。 

「年をとることに希望を持てないあなたへ」佐藤聡美(東京都在住・64歳

転勤族の家庭に育ち、子ども時代の大半を鹿児島で過ごしました。60歳で定年退職する前は、ケアマネジャーとして働いていました。現在は、保育園の短時間パート職員、シニア劇団かんじゅく座の団員として小劇場やテレビドラマのエキストラ出演、むさしのFMの外国人向け情報番組のパーソナリティ、グレイヘアモデルとして活動しています。また、昨年からケアマネの経験を活かし、60代から70代のしゃべり場サロンを月1回主宰。筋肉を減らさないように、スポーツクラブでピラティス、水泳、筋トレを週4回くらいのペースで行っています。

私のターニングポイント

私のターニングポイントは、30歳の時。母が56歳で自死したことがきっかけでした。

当時の私は、東京で年子の子育てに追われていました。鹿児島で離れて暮らす両親に年に1、2回しか会うことができなかったので、子ども達の成長の様子をビデオに収めて頻繁に送っていました。母は、そのビデオを観ることをとても楽しみにしていました。今思うと、母はいわゆる「空の巣症候群」で、子供の自立によって自分の役割がなくなったと感じ、これからの生き方がわからなくなり、父との不和もあり、寂しかったのだろうと思います。

母の死をきっかけに、死ぬ時に後悔しない満足できる生き方をしようと決意し、やりたいことがあったらすぐにやらなければと思うようになりました。

10年前の私に伝えたいこと

バブルがはじけた後、証券会社の非常勤として働いていましたが、36歳の時に「これが最後の転職」と、高齢社会で需要があり、人との触れ合いを通じて感謝されることが多い介護職に転身し、介護福祉士、ケアマネジャーとキャリアアップしていきました。

10年前の54歳は、同居していた義父母の介護が本格的になり、公私ともに介護にどっぷりつかっていた時期です。正職員でのケアマネジャー職ははさすがにキツくなってきたので、非常勤になり、担当件数を減らしてもらいましたが、少し余裕が出てきた時に、介護専門学校の非常勤講師を始めました。体も心もヘトヘトで、腰痛もひどく、年をとることに希望が持てませんでした。そんな10年前の私に信じられない変貌を遂げていることを伝え、エールを送りたいです。

年をとることに希望を持てないあなたへ

筋トレの成果で腰痛はほぼなくなり、好きなことをやっているよ。介護から保育に職業を変えて、かわいい子どもに癒されたり、にぎやかに過ごして若いパパやママと挨拶をしている。シニア劇団に入り、スポットライトを浴びたり、ラジオのスタジオで外国人とマイクに向かっているよ。テレビのエキストラやグレイヘアモデルもしていて、これまで関わったことのなかった世界にいて、刺激的な日々を送っているよ!

ケアマネ時代  
介護保険改悪法案の参考人質疑に後見人として国会に出席

10年後の私から現在の私へのメッセージ

英語の勉強を始めたおかげで、ラジオのゲストと簡単な会話ができるようになったし、海外旅行に行って役に立ったよ。筋トレも続けていたから、膝も腰も痛くならずに保育園で働き続けていられるよ。シニア劇団も14年たち、芝居の醍醐味がわかるようになった。好きなことが見つけられて良かったね!

今も変わらず、充実した日々を送っているよ!

2024年5月 下北沢駅前劇場の終演後の舞台にて

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